突然チューリッヒ Part 2 -花-【ミナログ】
チューリッヒには、最も美しい季節の6月に滞在していました。
スイスの寒〜い冬を耐え、遅い春が訪れて、
やっと花々が咲き始め・・・
日も長くなって、スイスの人達には、
待ちに待った最高のシーズンの始まりです。
毎日、トラムの駅まで下っていく道のりが大好きで。(今でも忘れられない。)
道の両脇にそびえ立つ、立派なお屋敷もアパートも、雑誌に出て来そうなぐらいに美しく、
お庭からは、ふとバラの香りが漂ったり、
あれ?ジャスミンかな?どこだろう?
とか、もう、ただ歩いていても夢の中にいるような日々なわけですね。
五感が優雅に刺激されるのがチューリッヒの
住宅街と言えるでしょう。
そうそう!チューリッヒでリンデン(菩提樹)の花の香りを初めて知りました。
至る所でふと漂う、ものすごく良い花の香り。
滞在中ずっとなんだろう?なんだろう?と気になっていて、
帰国前にやっとその香りの正体がリンデンの花とわかって、
どれだけ嬉しかったことか!
リンデンの花の香りは私にとってはチューリッヒの香りと言えるぐらい、記憶に残るものでした。
街の中の植栽も、チューリッヒはシンプルで整然(寄せ植え的なものがあまりない。)かつ
インパクトがあります。
明るい色のお花は、ブラックかグレーのコンテナを合わせているので、
街に馴染んでとってもシックな感じ✨
紫陽花はシーボルトが日本から海外に持って行ったのは知られていますが、
ヨーロッパにピンク系の紫陽花が多いのは、土のPHが、日本と違うからってご存知でしたか?
日本はブルー、紫を多く見かけますよね。
お花やさんではピンク系の鉢植えはあるのですが、実は改良種です。
育てているうちに、日本の環境でブルーに寄っていきます。
また、ヨーロッパ全般で紫陽花が大ぶりなのも改良種だからなのですね。
話は逸れますが、シーボルトの日本人の奥さんが、”おたくさん”という方で、
紫陽花に奥さんの名前をつけたら、ヨーロッパの人がうまく聞き取れず、
”オルタンシア”になったという話もあります。
小ぶりな紫陽花のイメージは日本人女性、大ぶりなのは欧米の女性のイメージ。。。
いつも色々な国で紫陽花を見ると勝手に私はそう思います。
と、話を戻して・・・
チューリッヒは、空気と街並みがとても綺麗なのは前回お伝えした通り。
*参考にお読みくださいね。↓
もちろん裕福な方々が住まう土地なので余裕があるのでしょうが、
どのお家も、お店も、とっても綺麗にお庭や植栽を手入れしていて、
何よりも心の豊かさが溢れているのを感じます。
道ゆく人達が幸せな気持ちになるように、という優しい想いもあるでしょう。
私が色々な国を訪れて確信しているのは、
お花が綺麗な国は経済的に豊かな国が多いということ。
経済的に苦しい国は花や植栽がないか、あってもなぜか造花!だったりします。
予算と人手なのでしょうね。
ちなみにフィレンチェ、あんなに芸術的な街なのに、
ポンテベッキオの橋の上の宝石店の植え込みが造花で、とっても違和感でした。
ここだけかと思ったら、他にも店の植え込みや、テーブル花が造花だったお店が
イタリアではいくつかありました。
心豊かなライフスタイルが、あらゆる面で真の豊かさに繋がる。
クオリティオブライフは、お花から。
これは個人レベルで私たちの生活にも言えることかもしれませんね。
チューリッヒの街で、このなんとも言えない穏やかな豊かさを感じたら、
日本に帰ったらお花のある生活を始めよう!と、誰しもが思うはずです。
多分、それが日本で、特に都会に住む人間にとって、今一番足りないものだからかもしれません。